プッシュ通知は、メルマガなど他の施策と比べて開封率が高く、継続的に配信することでアプリのアクティブ率維持が期待できる施策です。
ただ、開封率をあげるにはどうしたらよいかお悩みの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、時間帯とキーワードに関するテストを実施し、プッシュ通知の開封率を上げた事例を3つ紹介します。
現状の配信設定と比較しながら読み進め、改善できるポイントを見つけてみてください。
▼目次▼
時間帯を変えて開封率を上げた事例
配信する時間帯を変更して開封率を上げた事例です。
1日のプッシュ通知配信回数が少ない場合や、重要なお知らせやプロモーションの周知徹底をしたいという場合にぜひ参考にしてください。
平日の5つの時間帯に分けて、プッシュ通知の開封率をテストしました。
下記のグラフには、それぞれの時間帯で配信したプッシュ通知の開封数と、8:30の配信を基準とした場合の開封数の差を比率として記載しています。
【結果】
- 夜間帯が一番開封率が高い(朝の1.2倍、昼の1.3倍)
- 午前中より午後の方が開封率が高い
【考察】
一般的には、ランチタイムの配信と夜間帯の配信は開封率が上がりやすいといわれます。
根拠として挙げられるのがユーザーがインターネットを利用している時間帯です。
出典:情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査|総務省
上記グラフは、青がインターネットのみを利用している割合、紫がインターネットとテレビ視聴を並行している割合を表しています。
ランチタイムと夜間帯のネット利用率が高いことが示されており、今回の結果とは齟齬があるように思われるかもしれませんが、ランチタイムに配信したプッシュ通知の開封率が他の時間帯に比べて低かった要因として考えられるのが、可処分時間の違いです。
ランチタイムは45分〜1時間程度であり、飲食店とオフィス間の移動などもこの時間の中で行うため、使える時間がかなり限られています。
一方の夜間帯は、その日にやることを終えた後であるため、ランチタイムに比べてある程度まとまった時間があります。
そのため、処理できる情報量に差があり、ランチタイムに比べて夜間帯の方がプッシュ通知が開封されやすいとも考えられます。
【推奨されるアクション】
- 夜間帯に配信していなければ、配信をしてみる
- ランチタイムに配信しているプッシュ通知の開封率を確認し、低ければもう少し遅い時間での配信を検討する
配信時刻を変えて開封率を上げた事例
配信時刻をずらして開封率を上げた事例です。
1日に複数回の配信をしており、
00分ちょうどに配信していたものを、すでに配信している時間帯の中で時刻をずらして開封率に変化が出
以下のグラフは、それぞれの時刻で配信したプッシュ通知の開封数と、00分の開封率を基準とした場合の開封数の差を比率として記載しています。
【結果】
- 40分の配信が一番開封率が高い(00分の1.08倍〜1.1倍)
- 20分の配信は、ほぼ同じまたは微増
【考察】
このような結果が出た要因として考えられるのは、他のプッシュ通知との競合を避けられたことです。
多くのプッシュ通知が00分に配信セットされているため、複数アプリからのプッシュ通知がほぼ同時に届くことがあります。
この場合、他のプッシュ通知によって通知の表示時間が短くなったり、その瞬間で興味をひいたものから開封されたりすることで、こちらのプッシュ通知はそのまま忘れられることもあります。
他のプッシュ通知とタイミングをずらすことで同時に配信されることを防ぎ、目に留まりやすくなった可能性が高いです。
また、時刻を後ろにずらすことで通知履歴の上に表示されやすくなるため、プッシュ通知をまとめてチェックするユーザーの目にも留まりやすくなったと考えられます。
【推奨されるアクション】
- 00分ちょうどの配信ではなく、20分や40分など合間の時間に配信してみる
時間帯に合わせたキーワードを使用して開封率を上げた事例
プッシュ通知の配信時間帯とキーワードの組み合わせによって、開封率を上げた事例です。
イベントやキャンペーンなどの前日にプッシュ通知で告知をする場合に参考にしてください。
プッシュ通知を4つの時間帯と2つのキーワードの組み合わせでテストしました。
キーワードは、以下の2パターンです。
- 〇〇日限定(明日の日付)
- 明日限定
下記のグラフには、それぞれの時間帯で配信したプッシュ通知の開封数と、「明日限定」の8時30分配信を基準とした場合の開封数の差を比率として記載しています。
【結果】
- 一番開封率が高いのは8時30分の「〇〇日限定」
- 「明日限定」の配信は14時以降の開封率が高くなり、20時の配信が開封率が一番高い
【考察】
この結果から、朝〜昼にかけては「〇〇日」という明確な日時、昼過ぎ〜夜間帯にかけては「明日」というキーワードを使用することで、それぞれの時間帯で開封率を上げられる可能性が高いです。
夜に近づくにつれて「明日」というキーワードの開封率が高くなった理由として、期日の近さが考えられます。
「明日」というキーワードは、直感的に時間軸がイメージできるキーワードです。
朝の段階ではまだ時間的に余裕のある未来の予定だと感じられますが、夜になるとすぐに訪れる予定、緊急性のあるものだと捉えられ、朝よりも夜の方が開封率が高くなったと考えられます。
「〇〇日」というキーワードの場合、直感的には明日のことだと認識できない可能性があります。
そのため、「明日」というキーワードに比べて、夜間帯の開封率が低くなったといえそうです。
【推奨されるアクション】
- 夕方以降は「明日」というキーワードを使用する
- 時間軸が短い、緊急性が高いと感じさせるキーワードを使用する
まとめ
時間とキーワードを変更してプッシュ通知の開封率を上げた3つの事例を紹介しました。
効果があったものは以下の通りです。
- 夜間帯(20時)の配信
- 定刻ではなく合間の時間(xx時40分)に配信
- 時間帯に合わせたキーワードの使用
配信する時間帯や時刻の変更は、すぐにできる施策です。
もし現在の設定と異なる場合は、一度テストしてみてはいかがでしょうか。
また、時間帯に合わせたキーワードの事例も、セールやイベント、新商品発売のお知らせなどであれば、今回の内容がそのまま利用できます。
ぜひ紹介した事例を参考に、プッシュ通知の配信をお試しください。